HOME › コラム › 税務関連コラム › 税務関連コラム2018年 › 平成30年税制改正について

平成30年税制改正について

<改正の内容>  

 小規模宅地等の特例の対象となる貸付事業用宅地等の範囲から相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等が除外されます。

 ただし、相続開始前3年を超えて事業的規模で不動産貸付事業を行っている場合や、平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された宅地等は従来通り「小規模宅地等の特例」の適用対象となります(図2及び図3は同じ内容を表とフローチャートで示したものですので見やすい方でご確認ください)。




《参考》
「事業的規模」の定義は明確になっていませんが、所得税法上は次のように取り扱われています。

事業的規模の不動産貸付とは?

① アパート等の貸室については独立した部屋が10室以上
② 独立した家屋の貸付については5棟以上
③ 賃料収入・資産管理の状況から①②に準ずる事情があると認められる場合

 右の①~③のいずれかを満たせば事業的規模の不動産貸付とされています。
なお、貸家と貸室両方所有する方や駐車場をお持ちの方は、貸室2部屋を1棟、駐車場5台分を貸室1部屋と換算します。

<改正の影響>

 改正により「貸家事業用宅地等」に「小規模宅地等の評価減特例」が適用できなくなるのは次のような場合です(平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された宅地等除く)。

①相続開始前3年を超えて貸付事業を行っているが、事業的規模に該当しない場合で、相続開始前3  年以内に事業の用に供した「貸家事業用宅地等」。
②貸付事業を開始したのが相続開始前3年以内の場合には、事業的規模に関わらず「小規模宅地等の評価減特例」の適用の余地はありません。

<さいごに>

 現在貸付けている貸家等の敷地は、平成30年3月31日までに貸付事業の用に供されている宅地等に該当するため「小規模宅地等の特例」の適用対象です。 

  しかし、今後貸付事業用の貸家等の購入や所有不動産の有効活用を考えている場合で、当該貸家等の敷地に「小規模宅地等の特例」を適用しようとする場合は、貸付期間や事業的規模要件を確認の上計画的に実行する必要があります.

詳細な適用要件等は専門家に確認しましょう。

文 税理士・CFP(R) 西木敏明

  • 1
  • 2

このページの先頭へ