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[短期集中連載1]ケースメソッドの化学反応

2012年12月26日

[ケースメソッドとは]by Kotobank
ケースメソッドとは、実際に起きた事例を教材として、
あらゆる事態に適した最善策を討議し導きだす教育手法をいいます。
社員研修などで実施する企業が増加しており、
能力開発や次世代リーダー市区性に有効な手法として注目されています。


もとはといえば、社内研修の新しい手法として取り入れられないものかと思ったのがきっかけでした。
その手の書籍を読みあさっていたとき出会ったのが、慶応義塾大学の高木晴夫先生のDVD付き書籍。
参加者が口々に言う意見を黒板に書き付けながら、誰の意見も否定しない、ただひたすら「あなたの意図はこういうこと? なんていう表現が適切? なるほどね」と淡々と相手の真意を聞き出し集約していく姿勢に心から感動したのでした。
みんなこんなふうにコミュニケーションをとれば、どれだけ建設的な会議進行になるだろうか。
日常的にもこういう姿勢でいれば、トラブルが最大限まで回避できるじゃないか。

東京出張の際十数年ぶりに再会した旧友が、某大学で、まさにこのケースメソッドを主軸に教鞭をとっていることを偶然に知り、食いつかんばかりの勢いで質問攻めにしました。
書籍の情報だけでは追いつかない部分、主にケースの分析を皆でしていく中で産まれるという化学反応というものが、つかめるようでつかめない。
「やってみたらいいよ。とてもおもしろいよ」との彼の一言で、そうか、やってみたらいいんだ、と素直に決意したワタクシです。

まずは試しにやってみることに賛同してくれる主軸メンバーが必要でした。
いろいろなお知り合いの顔が浮かびましたが、可能な限りミニマムで試行錯誤するためには、参加者の要件を限定することで共通言語と共通環境を持つ方にご協力を請い、純粋に進行形態の試行に特化するほうがよいだろうと判断しました。
そして、女性に限定してみたい。

十数年前、香川に来たとき、多くの女性と明確な意思疎通ができないかのような錯覚に陥ったことを思い出したのです。もちろんすべての女性ではありません。ただ、首都圏と比べると、意見が不明確で発言に不慣れな方に遭遇する割合が圧倒的に高かったのです。

ぼんやりと思うところはあるのだけれど、意見を求められたことがない、だから意見をまとめてみたことがない、だから的確で端的な言葉が出てこない、だから、何を言っているのかわからない。
能力が高く、表現の素養もきちんと持っているのに、だ。
思うことを的確に言葉に置き換えるすべは、生まれ持った能力ではなく、24時間365日常にそれを意識するという簡単だけれど根気のいる自発的な訓練によって身に付きます。
コレ、底上げできたら、どうなる?

まずは、この3点を満たした方をヘッドハンティングしようと方向性を決めました。
1. 高松市内で開催される勉強会に不定期でもいいから参加できて、
2. 営利団体で働く女性で(ケースを職場に限定して始めようと思ったため)、
3. 職場でのコミュニケーションスキルのアップに興味のある方(普遍的な題材を主軸にしようと思ったため)

これぞと思った方に拝み倒して参加していただき、第一回を開催しました。

ケースは、トラブルを収束しようとして送ったメールに思いもかけない冷たい返事が返ってきて、
困ってしまってワンワンワン、、、という身もフタもないものを選んだのですが、
それぞれの登場人物について意見交換していくと、それぞれ違った視点で問題点をとらえていることが判明し、
参加者全員お互いに「それは気づかなかった・・・」とぼう然とする結果となりました。

私個人の欠陥でいえば、ケース初読で「これが元凶だ!」と判断してしまうと、
他への問題意識がゼロに近くなる悪癖をイヤというほど認識させられました。
加えて、他の参加者の発言によって新たな発見が突如として立ち上がることもあり、
その瞬間は鳥肌がたつ思いでした。

まだまだ経験不足で毎回が気づきの連続ですが、継続することの効果を実感しています。

第三回は年明け1月11日の19時より、高松市内某所で開催いたします。
ご興味のある方は、事前に使用するケースをメール送信いたしますので、お気軽にご連絡ください。

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有り難いことに、男性じゃダメですか? とのお問い合わせをいただいております。
いえ、ダメじゃないんです、ただ、現段階の我々の進行が手探りで準備が整っているか微妙な状態なだけなんです。
第三回の開催時に、参加者の方にご意見を伺ってみますので、いましばらくお時間をいただいてもいいですか?

個人的には、職場でのコミュニケーションスキルアップには性別は関係ないので、
遠くない将来、男性もご一緒に喧々囂々意見交換できるように整えていきたいと思っております。

と、いうわけで、今年始めた一番の大きなチャレンジはコレ。
現在おつき合いいただいている、私が心から尊敬している参加者のみなさん、
今年は本当にお世話になりました。来年もどうぞよろしくおつき合いくださいませ。


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