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[短期集中連載3]採用活動における出来合いのお惣菜論

2012年12月27日

前回、求職者の方のお話を書きましたが、今回は求人側のお話です。

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例えばの話。

あなたの家庭であなたや家族のために食事を準備する方がいらっしゃったとして、
その方が出来合いのお惣菜ばかり食卓に並べる方で、
しかもそのお惣菜が家族の口にはあまり合わない、としましょう。
買ってきた本人も家族も、美味しくないねえと文句ばかり。
でも、その方を含めた家族は誰も我が家の味のお料理にトライしようともせず、レシピの研究もしない。
お惣菜のお店開拓にも努力をせず、近場で楽に買えるものだけを買っている。

これはOK? 幸せ?

家庭の味を安定して供給できるようになるためには、
毎食ごとにメニューを考え、素材の野菜やお肉・お魚の種類や産地を吟味し、
調味料のバランスを何度も試行錯誤し、
家族の感想を聞きながら微調整していかなければなりません。

人材の採用・教育だって同じこと。

あなたの思い通りの人材にするためには、社内教育は不可欠です。

採用から14日間は即日解雇が可能です。
この期間は、達成すべき修得内容・勤怠成績を採用日に提示し、達成度合いを厳密にチェックします。
その後の試用期間内は、指導員を特定し日報を書かせるなど就業態度と修得度合いを常に確認。
試用期間を終了し本採用になったとしても、一人前になった思えるまでは、
常に目を光らせ報告をさせ指導をし続ける必要があります。

即戦力がほしい、経験者がほしい、とおっしゃる方の中には
こうした基礎教育すらしなくていい人材がほしいと思っている方がいらっしゃいます。

どんな上等の霜降り肉だって、そのままでは食べられません。
逆に、特売のお肉だって、調理方法次第で立派なごちそうになるでしょう。

一手間は、かけなければならないもの。
まずはこのことをご了解いただいて、採用活動にあたっていただきたいのです。

二手間だって三手間だってかけるつもりがあるさ!という会社なら、
基礎能力が高ければ未経験者だってOKなはず。
経験者にこだわってマーケットを狭くする必要はないのです。


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引き続き、例えばの話。

料理の腕に自信がないとき、とびきりの良い食材でなんとかしようと思ってしまう方がいます。
どうせ刻んで煮込んでしまうのに、形の綺麗なツヤツヤの新鮮野菜ばかり買う。
結局タレの味にたよった料理になるのに、上等のかたまり肉を買う。

分不相応なお買物はどんどん家計を圧迫していきます。

採用活動だって同じこと。
今必要な人材は、本当に、「高学歴」で「経験豊富」で「人格高潔」な「美形」なのですか?

一部署を引っ張っていくような人材が、今、どうしても必要であれば、それは「YES」かもしれません。
しかし、アシスタントなどの補助職であれば、そこまでの人材である必要はありません。

会社によっては、多少能力が劣っても、素直で人当たりのよい人材がいい、というところもあります。
あるいは、多少我が強くてもいいから、与えられた仕事を完璧にこなす人材がいい、ということもあります。

○○でもいいから××な人、とイメージできれば、検討に値する対象はぐっと数が増え、より採用は容易になります。

採用する側は、任せたい職務を分析し、必要な人材像を明確にした上で面接にのぞんでください。

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今日はどうしても手料理が準備できない、なんていう日もありますね。
そういう日にも満足なディナーで一日をしめくくりたいなら、
ここなら間違いないというレストランやお惣菜のお店の情報収集と開拓をしておかなければなりません。
時間もお金もかかりますが、一度そういうお店を知るとイザというときとても気持ちが楽です。

採用も同じで、あなたの会社のニーズをよく理解してくれる
有料の職業紹介事業社をいくつかキープしておくことも有効な手段です。

高いスキルや特別な経験の人材が必要な場合、
職業紹介事業社は手持ちの人材で条件に合致する人を紹介してくれたり、
ヘッドハンティングしてくれたりします。
年収の20〜30%の手数料が発生することが一般的ですが、
採用の手間ひまを考えれば決して高くないと判断される場合もあるでしょう。

また、職場の掃除や庭木の手入れなどの簡易作業であれば、
各都道府県に設置されているシルバー人材センターも良い動きをしてくれることが多いです。

ただし、どちらにしても、
どのような人材が必要なのか、どのような労働条件なのかは厳密に明確にしておく必要があります。
有料紹介や派遣を利用する場合には、この点にもっとも労力を割き、
一般の採用活動時よりもさらに具体的に検討決定しておかなければなりません。

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さいごに。

私が面接官をさせていただく場面では、特別なご希望がない限り、
社内の他の面接官の方には一言もお話いただかないことにしています。

時に、我が社の業務内容を説明したい、我が社の歴史を伝えたい、というご希望をいただきますが、
お話になる必要がない旨お伝えしております。

求職者は、御社のことを調べた上で応募なさっているという前提で結構です。

このご時勢、HPを開設している会社は多数あります。
HPがなくても検索していれば何がしかの情報は入手できます。

「我が社の情報提供」は会社側の自己満足でしかない面接になってしまう傾向があります。
求職者はうなずいているだけで面接が終わってしまった、なんてことになったら
何のために時間と労力を割いたのかわかりません。

目安は、総面接時間の7割は求職者が話していた、ぐらいの時間配分です。
常に求職者に問いかけ、具体的な回答が得られるまで粘り強く聞き出す。

求職者が熟考し沈黙の時間ができたとしても、居心地悪く思わず、黙って待ってください。
沈黙を埋めようとして自分の話を始める方がおられますが、ここは我慢と忍耐です。

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余談ですが、スムーズな採用活動のためには、会社案内のパンフレットを作るおつもりで
HPを開設されることをおすすめいたします。
あまり更新の必要の無い形で作成することもできますので。

 


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