HOME › スタッフブログ › [短期集中連載]ゼークトの組織論 その3

[短期集中連載]ゼークトの組織論 その3

2011年11月07日

全然短期集中じゃなくなった連載の最終回です。
本日午後イチの予定が水曜日に延期されたので、
やっとこさゲットした空き時間、このスキに書いてしまわなきゃ!

******

最終回はリーダー論です。

ここ数年、リーダーは怠け者であっていいと思っています。

もちろんカリスマ的なスーパーマン社長やリーダーは別ですが、
すべてのリーダーがカリスマではありませんし、カリスマでなければならないってこともありません。
我々平凡なリーダーは、怠け者でOKなのです。

---------------
有能な怠け者。これは前線指揮官に向いている。
 理由は主に二通りあり、一つは怠け者であるために部下の力を遺憾なく発揮させるため。
そして、どうすれば自分が、さらには部隊が楽に勝利できるかを考えるためである。

無能な怠け者。これは総司令官または連絡将校に向いている、もしくは下級兵士。
理由は自ら考え動こうとしないので参謀や上官の命令どおりに動くためである。

----------------

リーダーには2種類あります。
組織の下層から昇進してきたリーダーと、出自等何らかの背景でその地位に突然就任するリーダーです。

昇進型リーダーは、たいていの場合有能です。有能でなければ昇進できない。
なおかつ働き者のスタッフであった例も多い。おかげで組織上層部からの評価も高かった。

僭越ながら、それは自分だ、と思われた方。
あなたは怠け者になる努力が必要です。怠け者のフリだけでもOK。
自分が動いたほうが早い、成功率が高い、と思っているうちはリーダーになれない。

怠け者にはなれないよ、それはツラいよ、と思われる方は、
トッププレイヤーであり続ける代わりにリーダーのポジションを放棄するか、
サーバントマネージメントの概念を理解し、
サーバントリーダーとしての将来を検討していただきたい。
プレイヤーのままの視点でリーダー業をやると、どこかで破綻するケースが多い。
これはまったく違う職種なのです。

突然就任型リーダーの場合、基礎能力は高いのだが、
現段階では実務的に無能であることがあります。

功を焦らないこと。周囲の高い評価を早期に得ようとしないこと。
無能な怠け者のリーダーもアリ!とハラを括ってください。

今のあなたに必要なものは、優秀かつ善良な参謀です。
どうぞ組織の中をじっくりご覧になって。
正確な情報をあなたに提供し、誠実な提案をする有能な働き者を見つけてください。

組織外から専門家や有能な働き者を連れてきて、参謀に据えることはお勧めしません。
よりあなたの孤立を高めることがあります。

あなたの仕事は、世界にたったひとつのあなたの組織の中から、
その組織でのキャリアの長い生え抜きの優秀な参謀を見つけること、
あるいは参謀量産システムを構築することです。
そのために専門家や有名人など社外の人材を活用することはあなたのキャリアの障害にはなりません。

注意点を2点。

1点目。
あなたがどちらのタイプのリーダーでも構いません。
あなたが抜擢した他のリーダーが、本物の有能な怠け者であったとしましょう。

本物の有能な怠け者は、悪意なく他者を利用し、消費することがあります。
これは有能な怠け者の本能のようなもので、改善を要求しても、悪気が無いので繰り返すこともしばしば。

この場合にはこのリーダーの部下の様子には目を配ってやる必要があります。
時には積極的に配置転換も行いましょう。

2点目。
あなたがどちらのタイプのリーダーでも構いません。
決して職場で感情的にならないこと。絶対に怒鳴らないこと。

リーダーであるあなたの強い感情への対処を、一般のスタッフは知りません。
生まれる結果は尊敬や尊重ではなく、回避行動です。
極端な回避行動の結果、あなたには真に重要な情報すら入らなくなることがあります。
立派な裸の王様のできあがり。

とはいえ、リーダーとはストレスの多いもの、感情的になることだってあるでしょう。
あなたの参謀の前だけでなら、強い感情の吐露もOKです。
有能な参謀は、あなたの発した感情的な情報をも整理し、適切な改善策を用意するでしょう。
参謀がいない場合には、残念ながらあなたの感情を職場で披露する場はありません。

リーダーは怠け者でOK。
ただし、常にすべての情報が耳に入るルートを確保しておくこと。直接間接を問いません。

そのためには、
リーダーにはしっかりした参謀を育成してもらいたい。見つけてもらいたい。
そして優秀な参謀を正しく評価し、適切な報酬を与えること。
それがあなたの組織の基盤を強化し、成長させる一番の早道です。


このページの先頭へ