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社会保険被保険者資格、取得基準の変更

2016年08月31日

平成28年10月1日より実施される社会保険のパートタイマーの適用拡大について
先のスタッフブログ記事にてご紹介させていただきましたが、
平成28年10月1日からは、もうひとつ、小さいけれど重要な改正が発表されていました。

健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準が明確になります。

従来の取扱い 平成28年10月1日以降

1日または1週の所定労働時間 および 
1月の所定労働日数が、常時雇用者のおおむね4分の3以上
(この基準に該当しない場合であっても
就労形態や勤務内容等から常用的使用関係にあると
認められる場合には被保険者となります。)

1週の所定労働時間 および 
1月の所定労働日数が、常時雇用者の4分の3以上

 

「1日」と「おおむね」が外れるだけなのですが、ここは慎重に考えねばなりません。

「おおむね」がついていた効用は、従来の基準から若干外れていたとしても
実態から判断して常用的使用関係にあるかないかを確認すること。
調査などでも「月所定労働日数はだいたい●日ぐらい」のような表現で、特に問題はありませんでした。

改正のタイトルに「明確化」とはっきり書かれていますので、
どこまで明確な基準となるかが重要なポイント。

平成28年8月31日現在、取扱い窓口に確認したところ、
「算出方法を明示していただければ良い」との返答をいただきました。
懐深い指導のようにも聞こえますが、
要は計算根拠を持っておいていつでも説明できるようにしておいてね、ということですね・・・

まずは常時雇用者、一般には正社員と解してよいと考えますが、
この方たちの1週の所定労働時間と1月の所定労働日数を正確に算出するためには、
年間平均をとる必要があります。

様式集に計算シートをアップいたしましたので、ご利用いただければ幸いです。

あわせて様式集の「雇入通知書・期間の定めあり」を、
平成28年10月以降のものに差し替えさせていただきました。
記入要領の注釈を変更しています。こちらもご利用いただければ幸いです。



文・ 西木雅子


平成29年以降の雇用保険改正

2016年08月30日

法改正情報でもご紹介しておりますが、
平成29年から雇用保険制度が一部改正になります。

65歳以上の雇用保険適用拡大

現行法では65歳到達前から雇用され雇用保険に加入していた方は65歳以降も引き続き雇用保険資格を継続することができますが、65歳以上で新規採用された方は雇用保険に加入することができませんでした。

平成29年1月以降は65歳以降で採用された方も雇用保険に加入することになります。
平成29年1月時点で週20時間以上の所定労働時間であり、31日以上継続して勤務する65歳以上の方は、加入手続きが必要になります。

社労士 西木事務所 にて、雇用保険手続きをお任せいただいているお客様には、対象者の方をご連絡させていただきますので、ご本人さまへのご説明をよろしくお願い申し上げます。

なお、雇用保険料には高齢者の免除制度があり、毎年4月1日時点で64歳以上の方は雇用保険資格は継続しますが、保険料は免除となり給与からの控除はありません。
この免除制度は平成32年3月末日まで継続されますので、当面、加入される高齢者の方と事業所のご負担はありません。

給与計算が変わる平成32年4月が近づきましたら、個別にご案内させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

育児・介護休業の改正

平成29年1月から育児・介護休業制度も改正されます。
少々細かい内容です。改正前と改正後を作表しましたので、ご参考までご覧ください。


(会員限定ファイルにて↓)





社労士 西木事務所 に、月次顧問契約をいただいているお客様につきましては、育児・介護休業規程の変更作成をさせていただきます。随時ご案内させていただきますが、該当者発生などお急ぎのことがありましたらご面倒でもお知らせくださいませ。
新たに就業規則・諸規定の作成ご依頼も承っております。お気軽にご相談ください。


文・西木雅子


社会保険・パートタイマー適用拡大

2016年08月21日

法改正情報コーナーでもご紹介しておりますが、
平成28年10月から短時間労働者の社会保険適用拡大が始まります。

目安として週20時間以上の所定労働時間の短時間労働者が
雇用保険に加えて、健康保険・厚生年金保険にも加入することになります。


ただし、
対象となるのは、社会保険加入者501人以上の事業者だけ。
500人以下の法人・個人事業者は、現段階では適用拡大しなくてOKです。

では、500人以下の企業では、今回の改定は関係のないものとしてスルーしてよいかというと
逆にパートタイマー採用のチャンス到来と見るべきではないかと思います。

今や取り合いの感があるパートタイマーですので、
501人以上の企業でも労働条件を整えて対応するものと推測します。
しかし、
企業にとればコスト増であり採用人数を絞り込むこともあるでしょう。

労働者にとっても、これまでと違う労働条件、社会保険料の発生は負担となり、
契約の継続を断念するケースもあるかもしれません。
500人以下の企業であれば社会保険の負担はないのですから、転職も視野に入ってくるところ。

地元の中小企業にも良い会社があることをアピールする好機到来です。

これまで募集を出してもパートタイマーの応募がこない、とお嘆きだったみなさんは
もう一度パートタイマーの募集をかけてみませんか。

8月末から10月あたり、お試しになる価値はあると思います。
 

文 : 西木雅子


HPリニューアルしました

2016年08月17日

平素は大変お世話になっております。

この度、私どものHPをリニューアルし、
月次顧問契約をいただいているみなさまだけにご覧いただける
「会員限定」ページを設置させていただくことになりました。

「会員限定」ページにアクセスするために必要なID/Passwordを
昨日8月16日に封書にてご郵送させていただきました。

「法改正情報」コーナーでは、
給与計算に役立つ最低賃金や保険料率等の改訂情報、
労務関連では、平成28年10月からのパートタイマーの社会保険適用拡大について、

「様式集」コーナーでは、
現金出納帳や手形記入帳などの補助簿様式のダウンロード、
雇入通知書や誓約書のダウンロード、
マイナンバー管理様式や派遣元事業主の契約様式などをご提供しております。

今後、随時コンテンツを追加してまいりますので
ご活用いただけましたら誠に幸いです。

また、様式追加や法改正・法解釈追加のご要望など
折に触れてお聞かせいただけましたら誠に幸甚です。

今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

 

文 : 西木雅子



[平均賃金の算定]私傷病休業期間がある場合

2016年04月05日

労災の休業補償や会社都合の休業手当、解雇手当や減給のため
平均賃金を計算することがあります。

通常は、算定事由発生日の直前の給与締日から遡って3ヶ月分の賃金総額を
当該期間の暦日で割って、1日分の平均賃金を算出します。
これは1月分まるまる支払われている賃金を3ヶ月分足し、
その期間の暦日で割って1日分を算出する、という感覚、まずこれが原則と理解します。

以下、一般的な例外の認識と処理。

1. 日給や時給などで賃金が支払われ、労働日数が少ない場合
以下の算出金額を最低保障額とする。(労基法第12条第1項第1号)

3ヶ月間の賃金総額 ÷ 当該期間の労働日数 × 60/100


2. 賃金の一部が月給制で支払われ、その他が日給や時給で支払われている場合
以下の算出金額を最低保障額とする。(労基法第12条第1項第2号)


3ヶ月間の日給・時給等の賃金総額 ÷ 当該期間の労働日数 × 60/100

3ヶ月間の月給等の賃金総額 ÷ 当該期間の暦日数

 

これを踏まえて、さらに例外の確認。

3. 算定期間に私傷病による休業期間があり、賃金の減額が行われている場合
以下の算出金額を最低保障額とする。(S30.5.24 基収第1619号)

3ヶ月間の日給・時給等の実際に支払われた賃金総額 ÷ 当該期間の労働日数 × 60/100 (注1)

3ヶ月間の月給等の実際に支払われた賃金総額 ÷ 当該期間の暦日数 (注2)

3ヶ月間の月給等の休まなければ受け取れたはず賃金総額 ÷ 当該期間の労働日数 × 60/100 (注3)


以下、月給者の場合の代表的な事例です。
(注1)残業手当などの変動給など

(注2)家族手当・通勤手当など、休業であっても減額されない手当など
(注3)基本給や職能的手当など、休業したことによって減額されている賃金は
休まなければ受け取れたであろう満額の金額についての最低保障額を見る



なお、算定期間内の休業が業務上の事由によるもの、
つまり労災での休業であれば
賃金総額・算定期間の両方から控除します。

いやもう、要注意  (^ ^;

個人的な覚書を兼ねて。


メールde給与、始めました!

2016年02月16日

クリニックや国家資格者事務所、個人事務所、飲食業など
様々な業種の、少数精鋭の小規模法人、小規模事業所のみなさまにむけて、
東京FP高松は、
新サービス「メールde給与」を開始いたします。

日常業務の邪魔にならない、手間いらずの給与計算業務を実現します。


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お見積りは無料です。お気軽にご利用ください。
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私どもでは、
昨年秋から既存のお客さまを対象に
マイナンバー導入時の社内体制の構築についてご準備、ご説明をして参りました。

そんな中で、
クリニックや国家資格者事務所、飲食業などの小規模の事業所さまにおいて、
マイナンバー対応への戸惑いや情報不足による不安なお気持ちに触れることが多くありました。

また、法人にもマイナンバーが割り振られることから
社会保険未加入法人・事業所への加入要請が多く見られるようになり
今後さらに給与計算業務が、
多くの事業所さまのご負担となっていくのではないかと考えました。


できるだけ、
手間いらずで、不要な備品にコストをかけることなく、
法令遵守の給与計算のお手伝いをしたい。


そんな思いで、この新サービス「メールde給与」を始めました。


お知り合いへのご紹介、当該ページのリンク、歓迎です。
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お気軽にお問い合わせください。


[改正派遣法6]労働安全衛生法第59条のこと

2016年02月08日

毎年6月に提出することになる新・労働者派遣事業報告書。
旧法の特定労働者派遣事業者で、実績ゼロの事業者にも当然に提出義務があります。

本日、当局に
「実績ゼロの場合省略できる項目はどこか、
あるいは、実績ゼロの場合に記載しなければならない項目の指定でも歓迎」とお問い合わせしたところ、
「ただいま検討中につきしばし待たれよ」とのご回答をいただきました。


うーむ。


もしフル回答をせねばならないとしたら、
やはり問題になるのは教育研修の部分です。

私が知る限り、OJT(職場での実地指導)も含めて、
みなさん教育研修はきちんとやられていると理解しておりますが
期限がせまったところでいきなりこの報告書に書けと言われたら、
怒りがこみ上げる方もおられると思います、はい。

そして、
実績有りの事業所ですと、もちろんフル回答なわけでして。
せめて用語説明だけでもと思い、
今回は、年度報告の(4)労働安全衛生法第59条の規定に基づく安全衛生教育について解説します。


安全衛生法59条は、雇入れ時・作業内容変更時の安全・衛生教育について定めたものです。
この項目では、就業前研修・着任研修についての記載を求めているんですね。

注釈をいれつつ、内容についてご紹介いたします。

まずは条文を参照しましょう。

**************************
(安全衛生教育)
第59条
事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところ(注1)により、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところ(注2)により、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

****************************

(注1)雇入れ時の教育
原則として以下の事項について教育を行わなければなりません。(労働安全衛生規則第35条)
言うなれば、以下の事項が具体的な研修内容となるわけです。

  1. 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。
  2. 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。
  3. 作業手順に関すること。
  4. 作業開始時の点検に関すること。
  5. 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。
  6. 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。
  7. 事故時等における応急措置及び退避に関すること。
  8. 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項

(注2)特別教育
特別教育が必要な業務が労働安全衛生規則第36条に定められています。
特別教育は、行政が管理するほどではないけれど、
未研修のまま現場に出してはいけない業務を特定し、
必要な研修を事業者に義務として課しているものです。

有名なところでは「最大荷重1t未満のフォークリフト」があります。

ご存知の方も多いと思いますが
荷重1t以上のフォークリフトは法定の講習を受けなければ運転することはできません。
しかし、1t未満のフォークリフトであれば社内の特別教育だけでOK、となるわけです。


事業報告書の記載要領には
「(4)欄の①欄について、「教育の内容」については、
「4S(整理・整頓・清掃・清潔)運動」、「KY(危険予知)活動」、「ヒヤリハット事例の報告」等
具体的に記載すること。」とあります。

雇入れ時・配置転換時の就業時研修として安衛則第35条の項目を押さえた内容を実施し
「就業時研修」「着任研修」という表記ではなく、
より具体的に研修内容として記載しましょう、ということです。


[改正派遣法5]事業報告の変更

2015年12月17日

特定労働者派遣事業を運営されていたお会社は
これまで6月1日の状況報告、いわゆるロクイチ報告と、
決算確定時の年度報告を所轄労働局に提出されていましたね。

これが法改正により変更となります。

ロクイチ報告と年度報告がひとつになった「労働者派遣事業報告書」を提出することになりました。
提出期限は毎年6月30日です。

書式は厚生労働省HPの様式集内、「労働者派遣事業報告書(様式第11号)」をご確認ください。


いやー、7ページもありますよ(^ ^;

問題なのは、第5面の「キャリアアップ措置の実績」でございまして、
猶予期間中の特定労働者派遣事業のみなさまにもキャリアアップ措置実施の義務が生じますので、
このページが埋められる程度の計画と実績が必要となります。

毎年報告書提出の代行を承っている事業所さまには、年明けご説明とご相談に参りますので
6月に向けてご一緒にがんばりましょう・・・

なお、決算後の報告については、B/S・P/Lの提出と
旧制度でも提出していた「関係派遣先割合報告書」の提出となります。

書式は厚生労働省HPの様式集内、
「労働者派遣事業収支決算書(様式第12号)」
「関係派遣先派遣割合報告書(様式第12号-2)」をご確認ください。


なお、蛇足ながら、ワタクシの失敗談をひとつ。

改正派遣法の実施が平成27年9月30日ですので
9月末決算・11月末申告の事業所さまから改正法の書式となりまして
つい先日、収支決算書と派遣先派遣割合報告を労働局に持ち込んだんです。

それぞれの報告書冒頭の「許可番号」のところに「特●●-●●●●●●」と書き込んだところ、
「特定は許可じゃないんで、ここに書かないで備考欄に書いてね♡」と指導を受けました orz

はい、もう正式書面上、特定労働者派遣の届出番号を書く欄なんて用意されてないんですね。
潔いですね。

どうぞみなさまお気をつけくださいませ。

なお、香川労働局では、B/SとP/L提出の鑑は様式12号じゃなくて
今迄使ってきた香川様式のアレ、「労働者派遣事業収支決算書(管理用)」推奨のようですよ。


注) ↑というお話で帰ってきたのですが、後日ご担当者からご連絡いただきまして
やっぱり様式12号でいきます、とのこと。香川様式は使わないことになったそうです。
B/S P/L添付の場合には省略できる箇所が多いので、事前に確認されるといいですね。

派遣事業関係の届出は変更が多いので、局のご担当者も試行錯誤されるケースが多いように思います。
だけど、香川のご担当者は丁寧だし親切にしてくださるんですよね。いつも感謝してます。(平成27年12月18日追記)



ご提出前にあわせて窓口にご確認くださいね。


[改正派遣法4]キャリア形成支援制度の計画立案

2015年12月17日

キャリア形成支援制度の計画立案についてのお話です。

前回の記事でもご覧いただきましたが、
キャリア形成支援制度の詳細として公開されている書面がこちら。

 


社内でキャリア形成支援制度を立案計画する場合の端的な目的は
派遣事業としての許可基準をクリアすることでありましょうから、
時間や必要頻度、コスト負担についての条件、
つまり、要求されている運営形態を理解しておくことは重要です。


箇条書きにすると、以下のようになります。

1. 開催頻度は、1) 入職時は必須、 2) 以後、フルタイムで1年以上雇用継続する見込みがある場合には
年1回必須

→ 特定労働者派遣から移行する事業所は、原則として年1回必須ということになりますね。

2. 時間は、毎年概ね8時間以上

3. 教育訓練・研修は、参加する従業員について有給で行い、コストは会社持ちとすること。


次に、内容について。

前提として、「実施する教育訓練が派遣労働者のキャリアアップに資する内容であること」が必要です。

では、キャリアアップに有益であれば、
十年一日のごとく、毎年同じ内容の研修をやり続ければよいかというと
それでは改正派遣法が求めるキャリア形成支援の水準を満たしません。
概念的に申し上げれば、以下の条件を備えていることが必要です。

A. キャリアの節目などの一定期間ごとにキャリアパスに応じた研修等が用意されていること

B. 無期雇用派遣労働者に対して実施する教育訓練は、
長期的なキャリア形成を念頭に置いた内容のものであること。

ということは、こうした計画をたてるためには
↑の添付ファイル「派遣労働者のキャリア形成支援制度に係る許可基準」の 1 .
「派遣労働者のキャリア形成を念頭においた、
段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定め」
る必要があるわけですね。

簡単に言うと
新入社員はいきなり難しいことは無理だから、最初は●●会社に派遣し仕事は●●業務、
何年かたって●●の経験が積めたら、●●の資格をとる、
そしたら▲▲会社に派遣できて、仕事は▲▲業務に変わる、というふうに
ざっくりと仕事の難易度と必要な経験と資格を整理することで充分。

その上で、ホームページやメール一斉送信などの活用や、集合研修の開催、
あるいは外部の研修への参加命令などを決めていかれると良いでしょう。

日本人材派遣協会が平成27年度の厚生労働省委託事業として公表している、
「派遣労働におけるキャリアアップ支援の手引き」がご参考にしていただけると思います。
 



[改正派遣法3]許可基準要件としてのキャリア形成支援制度

2015年12月15日

さて、前回に引き続き、お題は改正派遣法に則した許可基準確認のお話。
軸としている書面はこちらです。


シート2ページ目、「派遣労働者のキャリア形成支援制度の事項」。
これこそが、今回の改正派遣法の目玉のひとつといえます。

もう少し簡単にまとめたものでは、こちらの資料がご覧いただきやすいかと。

 


1. の、「派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた
段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定めていること」は、
原則としては特定労働者派遣事業のときのものと変わりません。

追記されている事項を申し上げると、
特定労働者派遣のときの派遣労働者は「無期雇用派遣労働者」になりますので、
この方たちのキャリア形成を念頭に置いた内容とするように指定されています。

特定労働者派遣での派遣労働者は、常勤の正社員を派遣することが原則的な形ですから
この点に関しては、御社の正社員に対するキャリア形成のご方針を書面化することと理解されてよいでしょう。

 

2. のキャリア・コンサルティングの相談窓口の設置。

これについてはまったくの新規の要件となります。気合いを入れて取り組みましょう。

会社が設置しなければならないものは、
キャリアコンサルティングができる人材と、話し合いができる密室的空間です。

人材面でいうならば、
キャリア・コンサルティングの窓口となる方はキャリアコンサルティングの知見を有していなければなりません。
相応の研修の受講を視野に入れてくださいませ。
一般社団法人 日本人材派遣協会 で、定期的にセミナーを開催しているようです。

空間面でいうならば、
独立した打合せ部屋やパーテーションで区切られプライバシーが保てる空間の設置が必要です。

なお、許可申請チェックシートの1ページ目に
「事業所はおおむね20㎡以上ある」かどうかのチェック項目がありますが、
これは面積だけでなく、キャリアコンサルティングに相応しいスペースの有無も確認項目となるようです。

なお、一般社団法人 日本人材派遣協会 では、派遣元責任者講習も行っています。
特定労働者派遣事業の届出の際受講された方も多いでしょう。
この派遣元責任者講習も、派遣事業更新の度に直近の受講実績が必要ですから、
協会の情報提供は注意してご覧になるとよいと思います。

さて、長くなりましたので、
情報提供の方法や、キャリアアップ措置に関する実施状況の資料作成の注意点について
次の記事でご紹介いたします。
 


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